【三宜楼(さんきろう)】かつての門司港の隆盛を感じる元高級料亭(北九州市門司区)

門司港を代表するかつての高級料亭『三宜楼(さんきろう)』

北九州市の門司港。かつて、明治後半より、大正、昭和の戦前にかけ、日本を代表する港町として栄華を誇った場所。今はその頃の面影が残る街「門司港レトロ」として、北九州市の人気観光スポットになっている。

その中にあって、まさに門司港が繁栄していた頃の象徴的な場所が『三宜楼(さんきろう)』です。高級料亭として一般の方は入ることが出来ない、特別な場所だったそうです。

創業は明治39年頃、そして現在の建物は、昭和6年に建てられ、昭和30年頃に廃業。その後手付かずで老朽化も進み、いよいよ売りに出されそうになった時に、地元有志による保存会が誕生。彼らの並々ならぬ努力の末、平成26年に50年以上の時を経て営業再開となりました。

といっても、かつての高級料亭としてではなく、高級なお料理も食べられる、歴史的建造物、つまり観光スポットとしてお披露目となりました。

門司港観光には欠かせない『三宜楼(さんきろう)』

門司港を観光するなら、ぜひ訪れてほしい場所が『三宜楼』です。まさに門司港のかつての繁栄を肌で感じることが出来る、とても重要な場所です。しかも入場料はナント「無料」。では写真を見ながら簡単にガイドしますね。

場所はJR門司港駅から歩いて5~8分程度。比較的わかり易い場所にあります。

緩やかな上り坂の先に『三宜楼』が見えてきます。

立派な石垣です。

階段を登ります。

立派な玄関です。

障子を開けると、長い廊下が見えます。

上がって左手に展示室があります。ここは『三宜楼』の営業時間内なら、いつでも自由に見学できます。ちなみに営業時間は月曜日を除く、10-17時です。

展示室内には、かつて料亭で使われていた食器の数々

芸姑さんのお写真

建物の構造模型

顧客であった出光興産の創業者であり、「海賊とよばれた男」のモデルとしても有名な、出光佐三さん(前列右から3人目)の写真など、興味深いものが展示されています。

展示室には、地元門司港を愛するボランティアの方がいらっしゃる事が多いので、気軽に話しかけてみると、色々なことを教えて頂け、大変貴重な経験になると思いますよ。そのまま館内の案内もして頂けます。

二階に上る階段にも粋な仕掛けが。階段の右の障子窓のデザインは雲、左は山、二階に見えるのが月。地上から天上へと向かっていくイメージだとか。何とも風情があります。ちなみに地上の左手は松です。

二階には、『三宜楼』の代名詞ともなっている「百畳間」があります。百畳の大広間に、これまた広い舞台があり、かつてこの場所で、沢山の芸能が披露されたことを感じます。(写真は百畳間の一部、写真の反対が大舞台…うっかり撮り忘れました)こちらは宴会やイベントに使えます。使われている場合は見学できないこともありますのであしからず。

三階に上がります。

こちらにも個室があるのですが、修復の費用が集まらず、まだ手付かずの場所が多いです。そして面白いことに、一部のお部屋はかつて間貸しされていたそうで、その頃の生活の名残が残されているそうですが、今のところ公開されていません。

三階で公開されているのが「俳句の間」。

高浜虚子、杉田久女の俳句が飾られている、角部屋の一番良いお部屋です。窓からは関門海峡を望むことが出来ます。かつては高い建物がなく、見晴らしが良かったのだろうと想像します。ちなみに「俳句の間」とは、現北九州市長、北橋健治市長が命名したとか。

今は高級料亭ではなく、高級河豚料理が楽しめる

かつての高級料亭は、今では誰でも利用することが出来る。見学だけなら無料で楽しめます。そしてお料理を楽しむ事もできます。一階、並びに大人数の宴会なら二階の百畳間を使って高級河豚料理を楽しむことも出来ます。

現在入っているのは河豚料理の老舗『春帆楼』です。伊藤博文公にお出しした河豚がきっかけで「ふく料理公許第一号」のお店となったことで有名ですね。お値段もそれなりですが、何かの記念の際には、きっと良い思い出になることでしょう。写真はこちらの女将さん。

『三宜楼』はかつての繁栄の歴史を物語る、大変重要な場所であり、北九州市民の宝です。まだまだ『三宜楼』の事を知らない方、知っていても訪れたことがない方が多い場所です。これは大変もったいないことです。門司港にお出かけの際には、ぜひ立ち寄って頂きたい、素晴らしい場所です。

そしてぜひ地元ボランティアの方から、色々なお話を伺ってみると、旅の良き思い出となることでしょう。そして入場無料で運営しています。より良い運営のためにも、気持ちだけでもぜひ募金箱へ。

三宜楼(さんきろう) 基本情報

住所:福岡県北九州市門司区清滝3-6-8
電話番号:093-321-2651
開館時間:10-17時(お食事処の営業日時は異なります)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日、12/28-1/4)
駐車場:なし(近隣のコインパーキングなどをご利用下さい)

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KA-TSU

旅行会社に勤務することで旅好きとなり、旅人になるために独立。ガイドブックでは分からない、体験に基づく旅情報を発信しています。 また、SNS等を活用したwebマーケティングや、ビジネスプロデュースなどの依頼にも、極力お応えするようにしています。 私のSNSもぜひご覧ください。